「月夜の森の梟(フクロウ)」小池真理子著

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一気に読みました。

これは、とても珍しいケースの、ともに、

直木賞作家(真理子さんが先に受賞、5年後に藤田さん)

の、ご夫妻の

夫、藤田宜永さんを69歳で、肺癌での1年10ヶ月の自宅での闘病の、

  介護の末

  2020年1月に亡くされた

妻、小池真理子さん

2020年6月から2021年6月までの、毎週土曜日に1年間、52回

朝日新聞に、掲載されたエッセイの単行本です。

 

ご主人を亡くした直後の、「死に寄せて」に

 「ただただ、さびしくて、言葉が見つからない」

と述べた彼女が、気心の知れた朝日新聞の編集者から勧められ

書き始めたエッセイだそうです。

 

このご夫妻は、有名な美男美女のカップル。

36年前、無名の二人が、恋に落ち、ともに、作家を目指し、一緒に住み

子供は、作らないと決めて、軽井沢の中でも、より自然豊かな高原に

住んで、30年。

 

元気だった頃は、派手な喧嘩を  繰り返し、別れよう、と本気で口にしたことは

数知れない。それでも別れなかった。と、書かれています。

 

亡くなる数週間前

「歳をとったおまえを見たかった。見られないとわかると残念だな」

と。

泣かせることを  言ったものだとも書かれていました。

 

このエッセイは反響が大きかったそうです。

 

亡くした相手は、それぞれだけれど

 特に

 このような作家ではない、表現手段を  もたない普通のひとにとって

 その悲しみを  、このような形で、あらわされたことに、とても

 共感したのだと思います。

  

この本から

愛する者を  亡くすということは、

こんなにも

悲しみは、深いのだという

そんな思いが、伝わってきました。

 

私の長い介護生活を知る

ご主人を亡くした友人達は、みんな

「いなくなると、寂しいわよ〜」

「生きていてくれるだけで良いのよ」

と。

 

伴侶を亡くされた友人は、元気をなんとか通り戻すのに

どの方も、「3年」 かかつた、と言っています。

 

そうなのでしょうね。

 

今の、私は

「わざとではない」とわかってはいても、腹の立つことの多い

介護生活です。

昨日も一日中、洗濯機が、フル稼働。

昔の、介護は、どうしていたのか?

便利な今の生活に、感謝の、毎日でもあります。